韓国美容の言葉は、まず「何を指す名前か」を分けると読みやすくなります。成分は製品に配合するもの、ブランドは製品をまとめる名前、メイクの表現は色やツヤの見せ方を指します。医療機器の名前と、その機器を使う施術も分けて考えます。

この入門では、PDRNやリジュランなどを例に、名前から商品の表示、使い方、国・モデルごとの条件へと読み進める方法を整理します。

まずは「何の名前か」を分けて読む

PDRN・ビタミンC・レチノールは成分を調べる手がかり、リジュランはブランド名、チークライターはメイクの表現です。ウルセラ/サーマクールは、機器の名前と、それを使う施術を分けて読みます。

見かける言葉最初に区別したいこと
PDRN・ビタミンC・レチノール成分の呼び名と、個別商品の具体的な表示成分
リジュラン(REJURAN)ブランド名と、その中の個別製品
チークライター(cheeklighter)メイクの表現と、商品の分類
ウルセラ(Ultherapy)/サーマクール(Thermage)機器の名称・モデルと、その機器を使う医療行為

リジュランの公式サイトには、REJURAN、I、S、HB Plusと化粧品製品群が掲載されています。ブランド名だけでは、どの製品の話かは分かりません。リジュラン公式 ↗

チークライターは、アモーレパシフィックのコラムでは、チークとハイライターを組み合わせ、血色とツヤを表現する言葉として使われています。ここではその用例を紹介しており、公的な製品区分や統一規格として扱っているわけではありません。アモーレパシフィックの用語解説 ↗

機器はモデル名まで確認します。本記事で参照する米国資料は、Ultherapy PRIMEとThermage FLXのものです。仕組みや使用条件を比べるときは、こうしたモデル名までそろえる必要があります。Ultherapy PRIME使用説明書 ↗、Thermage米国公式情報 ↗

韓国美容の言葉を成分・ブランド・メイク概念・機器の層に整理した編集図。個別製品の法的分類や承認、効能を示しません。
韓国美容の言葉を成分・ブランド・メイク概念・機器の層に整理した編集図。個別製品の法的分類や承認、効能を示しません。編集図 · 制作:MIRO編集部

成分表示は、製品の効能そのものではない

成分名や配合濃度だけでは、化粧品全体の効果や、自分の肌に合うかどうかまでは判断できません。 東京都健康安全研究センターは、化粧品は配合成分全体で使用感や効果を発揮すると説明しています。また、日本化粧品工業会の表示名称リストは、掲載成分を配合できるかどうかや、安全性を判定するものではありません。名称や数字だけで完成品を評価できない、という読み方は、こうした説明に基づいています。東京都の解説 ↗、日本化粧品工業会のFAQ ↗

商品名から具体的な成分表示へと読み進める例を見てみましょう。

日本向け商品の例公式ページの脚注で確認できること
イニスフリー ビタC グリーンティーエンザイム ブライト セラムビタミンCの脚注は「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」「3-O-エチルアスコルビン酸」。いずれも整肌成分と表示
イニスフリー レチノール シカ リペア セラム「レチノール(整肌成分)」と表示。レチノールをビタミンAの一種と説明

これは効果の順位ではなく、呼び名から実際の表示を確かめる例です。確認対象は各商品の脚注であり、全成分表示を比較したものではありません。ビタCセラムの表示 ↗、レチノールセラムの表示 ↗

次に、製品区分と使用条件を読みます。日本の化粧品は全成分表示の対象です。化粧品と医薬部外品では成分の表示名称が異なり、「医薬部外品」という表示は区分を見分ける手がかりになります。化粧品に書かれた「整肌成分」を、医薬品・医薬部外品の「有効成分」と同じ意味には読めません。成分表示について ↗、表示名称の違い ↗、有効成分の説明 ↗

一般化粧品と医薬部外品の区分表示や成分表示を読み分ける編集図。すべての商品が同じ欄構成とは限りません。
一般化粧品と医薬部外品の区分表示や成分表示を読み分ける編集図。すべての商品が同じ欄構成とは限りません。編集図 · 制作:MIRO編集部

使用条件にも商品ごとの差があります。上記のレチノールセラムは、初めて使う場合の「適応期間」、目の周りを避けること、朝・昼に使う場合の日やけ止め併用を案内しています。スクラブ・ピーリング製品、高含量AHA・BHA製品、LEDマスクなどとの併用にも制限があります。これはこの商品の案内であり、すべてのレチノール製品に共通する使い方ではありません。この商品の使用条件 ↗

上記のビタCセラムも、赤み、はれ、かゆみ、刺激などの異常が出た場合は使用を中止するよう表示しています。成分の知名度だけでなく、使う完成品の注意事項まで読む必要があります。この商品の注意事項 ↗

リジュランは、製品と使い方まで確かめる

リジュランはブランド名なので、PDRNと同じ意味ではありません。また、注入する製品の研究結果を、そのまま塗る化粧品の効果の説明に使うことはできません。 公式サイトにも医療機器製品と化粧品製品群が並んでいます。リジュラン公式 ↗

PNはpolynucleotide、PDRNはpolydeoxyribonucleotideの略です。比較総説はどちらもDNA由来の高分子と説明し、PNを相対的に長い鎖、PDRNを短い鎖として整理しています。ただし、両者を分ける標準化された分子量の境界は確立されていないとも明記しています。「完全に同じ」「一定の数字で必ず分かれる」とは説明できません。これは総説による名称の整理であり、個別化粧品の原料や効能を検証した結果ではありません。PN・PDRNの比較総説 ↗

商品の前面にある呼び名と、表示成分の関係にも注意が必要です。リジュラン公式サイトの一部化粧品は「加水分解DNA」を保湿目的で表示しています。一方、日本向けのイニスフリー「レチノール PDRN アドバンスド マスク」は、PDRNの脚注を「乳酸桿菌培養溶解質(保湿成分)」に結びつけています。この二つの表示だけでは、原料が生化学的に同じものかどうかは確認できません。前面の言葉だけで具体的な成分を決めつけないための例です。リジュランの表示 ↗、PDRNマスクの表示 ↗

研究では、何を、どこに、どう使ったかを確認します。例えば27人を対象にした原著研究は、目の周囲の片側にPN、反対側に非架橋ヒアルロン酸(HA)を、2週間間隔で3回注入した比較です。塗る化粧品の試験ではありません。原著論文の抄録 ↗

PN注入の系統的レビューは、計219人を含む、質が低~中程度の9研究をまとめたと報告しています。局所の痛み、むくみ、かゆみ、あざ、赤み、一時的な刺激が記載されています。ただし、集計対象には、利益相反・研究資金の開示問題で撤回されたPakらの論文が含まれています。 9研究・219人という数字を、そのまま信頼できる安全性の裏づけにはできません。系統的レビュー ↗、当該論文の撤回告知 ↗

レビュー本文の「重篤な有害事象の報告がなかった」という記述も、まれな危険や長期安全性が確認されたという意味ではありません。研究の質や条件の違いに加え、一部著者にはPN製品の製造・販売企業との関係が開示されています。メーカー広告とは別の学術資料ですが、企業との関係がない独立した証明として扱うこともできません。レビューの限界と利益相反 ↗

国による位置づけも製品ごとに読みます。メーカー公式サイトは、REJURAN、I、S、HB Plusの各欄に、日本では未承認の医療機器であると表示しています。これはメーカーによる各製品の表示であり、同じブランドの化粧品全体の位置づけを示すものではありません。研究に使われた製品と現在の個別製品も、一括して同じものとは扱えません。メーカーの日本向け表示 ↗

機器の名前と、医療行為としての条件を分ける

参照した米国資料では、Ultherapy PRIMEは画像機能を組み合わせた集束超音波、Thermage FLXは高周波(RF)を使います。この原理の違いだけで、効果や安全性の優劣は決まりません。

確認したモデル・資料原理として説明されている違い
Ultherapy PRIME・米国使用説明書超音波を集束させて用いる機能と、超音波画像の機能を組み合わせる
Thermage FLX・米国公式情報ハンドピースから高周波エネルギーを伝える

この比較はエネルギーの種類を整理したもので、両機器の結果を直接比べる試験ではありません。Ultherapy PRIME使用説明書 ↗、Thermage米国公式情報 ↗

医療行為として読む際には、回復とリスクも確認します。Ultherapyの説明書には、痛み、赤み、むくみ、神経症状、熱傷や瘢痕の可能性が記載されています。市販後の報告には、脂肪・ボリュームの減少や、数か月続いた神経への影響も含まれます。ただし、自発報告から発生頻度や因果関係を常に推定できるわけではありません。Ultherapyの安全情報 ↗

Thermageの米国情報にも、痛み、赤み、むくみのほか、熱傷、瘢痕、皮膚表面の不整、感覚の異常などが記載されています。むくみは通常5日以内に治まるとしながら、数週間続く場合もあると説明しており、回復までの期間を一日と約束することはできません。Thermageの安全情報 ↗

また、「使用してはいけない条件」と「十分に評価されていない条件」は別です。 Ultherapyのこの説明書は、施術部位の開いた傷・病変、重度または嚢胞性のにきび、作動する埋め込み機器、施術部位の金属インプラントを禁忌に挙げています。Thermageは電気式の埋め込み機器がある場合に使用しないよう説明しています。妊娠・授乳中などは、各資料で未評価・未研究の条件として区別されています。Ultherapyの条件 ↗、Thermageの条件 ↗

これらは米国資料に記載されたモデル・用途・条件です。米国の説明を日本での承認の根拠にはできません。本記事の確認範囲では、日本の正確なモデル別承認状況は確定していません。この未確認を「日本では未承認」という結論に置き換えることもできません。

機器の名前を見たら、正式モデル名、対象国、対象部位、禁忌と未評価の条件をそろえて読みます。そうすることで、機器の説明と、その機器を使う施術の条件を区別できます。

出典と確認日

記述の根拠をたどれるよう、参照先と確認日を掲載しています。

  1. REJURAN公式:製品群と日本語表示 ↗確認日 2026-11-02 · 出典1
    確認に使った記述
    REJURAN ® I REJURAN ® S REJURAN ® HB Plus Skin Booster(Cosmetics) リジュランは現在日本国内において医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。 *1「加水分解DNA」 配合目的:保湿
  2. 日本化粧品工業会:成分表示 ↗確認日 2026-11-02 · 出典2
    確認に使った記述
    2001年4月の化粧品に関する規制緩和に伴い、全成分表示が義務化されました。
  3. Amorepacific:How Do Trends Come to Life in Makeup? ↗確認日 2026-11-02 · 出典3
    確認に使った記述
    ‘cheeklighter,’ a cheek-and-highlighter hybrid that adds natural flush and radiance to clean skin at once.
  4. Thermage FLX 米国公式製品・安全情報 ↗確認日 2026-11-02 · 出典4
    確認に使った記述
    A handpiece delivers radiofrequency energy to the skin There is a possibility of scar formation.
  5. 日本化粧品工業会:よくある質問 ↗確認日 2026-11-02 · 出典5
    確認に使った記述
    医薬部外品と化粧品の表示名称は異なります。 収載された成分の化粧品への配合の可否については関与しておりません。 収載された成分の安全性については関与しておりません。
  6. 東京都健康安全研究センター:化粧品の効果 ↗確認日 2026-11-02 · 出典6
    確認に使った記述
    「医薬部外品」と表示されていることによって、化粧品と区別することができます。 化粧品の場合は、配合されている成分全体で、使用感や効果を発揮するため、有効成分という言葉は使いません。
  7. Ultherapy PRIME 米国使用説明書 ↗確認日 2026-11-02 · 出典7
    確認に使った記述
    The Ulthera ® System integrates the capabilities of ultrasound imaging with those of ultrasound therapy. • Fat/volume loss
  8. Comparison of Polynucleotide and Polydeoxyribonucleotide in Dermatology: Molecular Mechanisms and Clinical Perspectives ↗確認日 2026-11-02 · 出典8
    確認に使った記述
    no standardized criteria have been established to delineate molecular weight thresholds that clearly distinguish PN from PDRN
  9. The Effectiveness of Polynucleotides in Esthetic Medicine: A Systematic Review ↗確認日 2026-11-02 · 出典9
    確認に使った記述
    Nine studies, of low and moderate quality, were included in this review, describing a population of 219 patients receiving PN treatment.
  10. イニスフリー:ビタC グリーンティーエンザイム ブライト セラム ↗確認日 2026-11-02 · 出典10
    確認に使った記述
    *1 テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(整肌成分)、3-O-エチルアスコルビン酸(整肌成分) 化粧品がお肌に合わないとき即ち次のような場合には、ご使用をおやめください。
  11. イニスフリー:レチノール シカ リペア セラム ↗確認日 2026-11-02 · 出典11
    確認に使った記述
    レチノール(整肌成分) レチノールを初めてご利用になる場合には 適応期間が必要となります。 目の周りは避けてご使用ください。 朝/昼ご使用される場合は必ず 日やけ止めを併用 してください。
  12. イニスフリー:レチノール PDRN アドバンスド マスク ↗確認日 2026-11-02 · 出典12
    確認に使った記述
    *2 乳酸桿菌培養溶解質(保湿成分) グリーンティー PDRN TM*3 販売名 RTP マスク
  13. Comparison of the effects of polynucleotide and hyaluronic acid fillers on periocular rejuvenation ↗確認日 2026-11-02 · 出典13
    確認に使った記述
    A total of 27 subjects were enrolled in this randomized, pair-matched, and active-controlled study.
  14. Journal of Korean Medical Science:Pakらの論文の撤回告知 ↗確認日 2026-11-02 · 出典14
    確認に使った記述
    The board concluded that the article was an impaired publication of conflict of interest by wrong disclosure and incorrect notification of funding sponsor.

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更新と訂正

この公開版: 2026.11.04 / 7d988c37233e

  1. 2026.11.04 · 初版 · 7d988c37233e
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